スーパーアグリF1チーム撤退に思う



2008年5月31日更新

小さく、資金不足にあえぎながらも、昨年何度か輝きを見せていたスーパーアグリF1チームがとうとう撤退してしまいました。
優秀な日本人ドライバーである佐藤琢磨が活躍の場を失った事が最も残念でなりません。

今回の撤退劇は、ワークスホンダの監督ニック・フライの暗躍が原因だったと言うから余計に腹が立ちます。


これから書く事はあくまで、僕の個人的な勝手な憶測にすぎないとまずお断わりしておきます。


昨年、ワークスホンダはマシン開発に失敗し低迷しました。
その結果、成績は低迷し、セカンドチームである筈のスーパーアグリの後塵をはいする事になりました。
最終的にはホンダ本体からのテコ入れもあって成績も回復し、なんとか面目を保つ事はできたものの、チーム監督のニック・フライにしてみれば、煮え湯を浴びせられ、泥を塗られた様な屈辱のシーズンだった事でしょう。

佐藤琢磨ファンの僕は、スーパーアグリF1チームのワークスを上回る活躍には溜飲が下がる思いがしました。

いずれにしろワークスホンダのふがいなさばかり目立つシーズンだった事は間違いありません。

もともと佐藤琢磨をB・A・Rホンダから追いだしたがニック・フライでした。
当時のB・A・Rはマシン開発に失敗して成績は低迷し、更にジェイソン・バトン選手のマシンのレギュレーション違反に端を発した失格騒動の結果、チームは出口の無い混乱に見舞われました。
それでも言い訳もせず、苦闘する琢磨選手に「ミスが多くて、成績を残せない。」と全ての責任を押し付けチームを追い出したのが、誰あろうニック・フライでした。

あれから3年、ライバルの相次ぐリタイアと言う幸運を唯一味方に付けた一勝だけがワークスホンダの勲章です。
ですが、ホンダファンの望むのはあんな棚ぼたの勝ちでは無い筈です。
セナ、プロスト時代とまでは行かなくても、年数勝は挙げてくれるチームであって欲しいのです。
その為には、峠を越したドライバーや、無能で学習をしないドライバーでは勝利には結び付かない筈です。
そもそも敏腕ディレクターだったデビッド・リチャーズをホンダが首にした時からホンダの低迷は続いています。
彼の引退はホンダサイドが彼の意思の強さ、押しの強さを嫌ったからだと言われています。

しかしF1は紳士のスポーツなどではありません。
人こそ殺さないものの戦争と何ら変わらない弱肉強食の世界です。
会社の言いなりになる様な人材で勝てる様な生易しい世界では無いのです。

その点、今のホンダの認識は甘いとしか言い様がありません。

例えばアイルトン・セナがイギリスか、フランスか、ドイツ、イタリアあたりのヨーロッパ生まれなら、1984年から1994年までの11年間でチャンピオン3回ではなく、倍の回数はチャンピオンになっていたでしょう。
残念ながら、アイルトン・セナは南米ブラジルの出身であり、彼はヨーロッパの暗黙の差別に対して、人生の全てを捧げて戦いを挑み、彼等に認めさせねばならなかったのです。

彼があらゆる困難に立ち向かい、レースに勝ち続けた結果、フランス至上主義者の筈のジャン・マリー・バレストルがアイルトン・セナにサインを求める結果につながったのです。

ホンダもそうです。

並いる強豪を打ち破り、勝って勝って勝ち続けたからこそその技術の優秀性を世界が認めたのです。

ターボ・エンジンで勝ち続けるホンダに対して、1988年限りでターボ・エンジン禁止を決めた時、反対するホンダに対して当時のFIA会長ジャン・マリー・バレストルは「お前たち黄色いサルは黙っていればいい!」とありがたいご託宣を下さったそうです。
その後、奮起したホンダが3.5リッターNAエンジンで3年連続チャンピオンを獲った事はその回答でした。

それから考えると今のホンダは過去の栄光にあぐらをかいているとしか思えません。

アイルトン・セナとホンダのジョイントにしても、あれ程親密な関係を築き上げたのは、お互いF1の世界ではアウトサイダーだったからだと僕は考えています。

ホンダ、セナが活躍し、アウトサイダーがF1を席巻した時代の後、ヨーロッパ勢による巻き返しが起こります。
特にドイツ出身のミハエル・シューマッハとイタリアの名門 スクーデリア・フェラーリによる5シーズン連覇は記憶に新しいところです。
しかし、彼等はとてもフェアだったとは思えません。
ヨーロッパ勢としては余程焦りに駆られていたのでしょう。
ミハエル・シューマッハとスクーデリア・フェラーリについて、一時は全くのルール無用、レギュレーションフリーみたいな時代がありました。
彼等が行う事は何でもOKの時代があったのも確かなのです。
その為、シューマッハの偉業を素直に認めたくない気持ちが僕にはあります。

しかし、シューマッハも引退し、新しい世代のチャンピオンも現れました。

いまこそワークス・ホンダは勝つチームにすべき時期です。

この際いっそ、ニック・フライも、ジェイソン・バトンも首にしてしまい、鈴木亜久里に監督を、ロス・ブラウンにはテクニカルディレクターを勤めてもらい、佐藤琢磨選手に走ってもらうのはどうでしょう。

残念ながら、ヨーロッパ文化はパワーポリティクスでしか無いのです。
遠慮はいりません。
まずは勝って勝って勝ちまくる事です。

そこからしか見えてこないものがある筈です。

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